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機械(カメラ)設計手法アレコレ

タイトル通り、何か物を造りたいと考えた時にどうすれば良いか考えてみる。

と言うのも、Twitterで試みに"3D CAD"を検索してみたところ、延々と英語圏のツイートが続き
最初の2バイト文字はアラビア語 Orz 
どこまで行っても日本語は皆無。 こりゃ~マズいよなぁ… と思ったのだ。

そりゃ~機械設計の素養が無い人には厳しいけど、少し設計を知っていれば自分オリジナルの
部品を造るってそんな難しくないよ~~ と言いたい。

普通、造りたい の前に物欲があると思うので先ずは物欲マインドマップ ↓ w
e0133566_13122037.jpg
色々端折ったところはあるが、まぁこんな感じ。
私がここのところカメラの物欲で辿るのは、一番上か二番目 ^^; か一番下のラインだ。

お題の「造る」で見ると現物合わせからマンガ、図面描いて とどれを取っても楽しい。

自分の職歴を振り返ると、バイクのピストンを車のエンジンに組んだり、トヨタのバルブをロータスの
エンジンに突っ込んだり と現物合わせも多かった。

図面描きでは、学生時代はCADのキャすら知らず鉛筆、コンパス、ドラフターの手書きを習った。
職を得て、レーシングカーの車体設計やらエンジン部品の新設計やらもズ~~っと手描き。
一応メーカー系のモータースポーツ会社だったんだが、それでもCAD化というのは敷居が高かった
のである。

2DのCADに触ったのがやっと2000年頃、3Dになったのはカメラ造りからだから2009年だ。

なぜそんなに敷居が高いのか? それは簡単で、昔も今もCADというのは大層高額なモノなのだ。

2D-CADで鉄板といえばAutoCADだろうが、今だに何十万という導入コストがかかる。
3D-CADになると100万~上は天井知らずである。

そんな中で2000年から2D-CADに触れるようになったのは、優れたフリーCADが出てきたお陰
だった。

幾つかあると思うが、私が愛用したのが鍋テックさんの鍋CAD

e0133566_14443748.jpg地味な名前だが使いやすい。

もうコレだけで手描き時代には
帰れなくなるほど作業効率は上がる。

ただ、手描き図面の下手な人は
2D-CADでも下手 という落とし
穴があるのは銘記したい。

このCADでしばらく売り物の自動車部品など造っていたが、趣味でカメラを造りたい と思った時に
俄然3D-CADを触りたくなり、2Dで味をシメたフリー版を探す事にした。

ここでも個人ベースのソフトウェアは幾つかあり早速試してみたのだが、残念ながら今に至るまで
実用になるものに出会えていない。

あとは、プロ用高級CADの試用版やプロモーション用として機能制限がかかったモノが存在する。
各社の戦略的な思惑で、飛び上がるくらい好条件でリリースされたと思って飛びついたらハシゴ
外されたり、イイ線なんだが肝心の機能を削られていたりとナカナカ厳しい。

只今現在で候補になりそうなのを挙げると、
Creo Elements/Direct Modeling Express 4.0
e0133566_15475376.jpgPro-Eで有名なPTC社が提供し、
製品版も存在する。
と、言うかPro-Eが消滅しCreo
というラインに統一されたようだ。

私自身は使い込んでいないが、
充分なモデリングが可能だろう。

ただ、出力できるファイル形式が
STLとVRMLだけでは実用するに
チト苦しい。

Autodesk 123D
e0133566_16133953.jpgAutoCadで有名なAutodesk社
が提供し、製品版は無いという
ユニークなCAD。

その操作系も大変にユニークで、
旧来のお作法に慣れ過ぎていると
面食らうだろう。

サイトの構成からも、文化として
3Dを根付かせようとする意気を
感じられて期待大だ。
出力形式もIGESとSTEPをサポートしており、CNC加工にも充分だろう。
ただ、残念ながら非常に重い。
シングルコアでメモリ2Gbの現有XPノートでは全く歯が立たない重さ。 デュアルコアなら動くのか?

AlibreDesign
e0133566_17431694.jpg現在私が使っているCAD。
操作系が経験のあるSolidWorks
にソックリで個人的に楽なのだ。

かつてXpress版は無償であった
が、今や有償になってしまった。
Xpressでは出力形式も心許ない。

まぁStandard版を買えれば充分
だし、9万円というのも機能を考え
れば破格ではある。

ついでに言うと、体験版を入れて1ヶ月はProfessional版のフル機能が… ゴニョゴニョ ^^;


と、ダラダラと書き連ねてきたが、設計が出来たところで物が出来てこないと何の役にも立たない。
モチロン自分で加工するにしても図面があると役に立つのだが、本来図面というのは他人に設計
意図を伝達するためのモノだ。

私は過去の付き合いから、自動車レース用部品を専門にしている加工屋さんにお願いし、格安で
削ってもらっている。 3DモデルをIGESに出力してメールで投げるだけで完璧な物が出来てくる。

他にも探せばこんな業者さんも見つかる。
ここは、サイトから3Dモデルをアップロードすると半日くらいで見積りが返ってきて、加工上問題が
ある設計箇所には適切な対案まで出してくれる。 コストも決して高くはないと思う。


人様が造った物を買ってきて使うのも楽しいけど、自分で考え自分で造った物には格別の愛着を
持てるし、カメラのような創作機械にはソレが良い影響をもたらすんじゃないか と思うんだよね。
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by stonemute | 2012-02-17 11:38 | 機械設計

R.A.F. ビオゴン 分解~ボディ設計

R.A.F.(Royal Air Force / 英国空軍)の航空機に搭載されていた とされるビオゴン
がUKより届き、手持ちの工具でバラせるところはバラした というのを前の記事に書いた。

その後、ゴツいアウターケースからレンズ本体を取り出すべく専用工具を買ったり、
締め付けネジ部にトルエン攻撃をかけたりして色々と自宅で頑張ったが駄目だった。

周辺のボルトを外す時から分かってはいたのだが、ネジというネジに漏れなく接着剤が
入れてあり、元より分解することは考えていない作りなのが伺える。

こうなったら外周部から削り込んで外すしかない と職場の旋盤を借りて成敗してやった。

e0133566_15454541.jpg

昔とった杵柄、固着した 又は折れたネジを外す作業は嫌っ!てほどやってきた。
どんなに固いネジでも、外周の肉を削って剛性を落とされると緩むものだ。

今回もコレこの通り ^^ ↓

e0133566_1543192.jpg

中央左が前玉、右が後ろ玉、その後ろは今回組み込む予定の Sinchro-Compur #0
シャッター。 手前は、完成の暁にボディにエンブレムとして付けようと削り残した
ブロード・アロー入り銘板。 その周りは外したアウターシェルの残滓。

以前の記事ではコパルの0番シャッターに組み込むように書いていたが、外したレンズ
をよくよく採寸してみるとコンパーじゃないと成り立たないと判明。
非常に微妙な内部寸法の違いにより、コパルは諦めざるを得なかった。

コンパーでも組み込みは極めて際どい。
通常、後ろ玉はシャッター後部の雌ネジに締め込むものなのだが、後ろ玉の中玉と干渉
して不可能である。
仕方なく、通常はレンズボードに締め込むための雄ネジを利用してアダプタを設計して
いる。 (下図 中央がシャッター、右側が後ろ玉、金色パーツがアダプタ)

e0133566_15535518.jpg

前玉はもっと厳しい。 もう嫌になるほど何もかもがギリギリである。(上図 左側)
軸方向の寸法を、レンズで0.5mm、シャッターでも0.5mm追い込んでやっと成立。
シャッター本体の前玉取り付けネジを追い込むなんて、ゾッとしないがやるしか無い。

アダプタの断面形状も非常に複雑かつ薄い。
ジュラルミンじゃとてもじゃないが待たず、SCM435鋼をガス軟窒化処理してかわす。

e0133566_1614345.jpg

ソンなコンなでヤットコサ設計完了。 ↑

3D-PDF を作ったので、グリグリ動かして遊んでみて欲しい。
PDF をローカルPCに落とし、画像をクリックして少し待つと3Dモデルが活性化する。
カメラをドラッグすると3Dモデルがクルクル動きます。
フィルムバックの固定レバーは起こしてあり、フィルムバックは装着寸前の斜め位置、
レンズボードも浮いた状態でモデリングしてあります。

今回、現有の Schneider SuperAngulon 47mm f5.6 MC と同 38mm f5.6 XL、
それに ZEISS Biogon 38mm f4.5 の3種類を同じボディに積めるようにした。
SuperAngulon では 6x9、Biogon では 6x7 のフィルムバックを使う。

蛇腹のストロークを相当大きくとったので、最近接は 30cm くらいまで楽に寄れる。
無限遠ストッパーと距離指標も、レンズによって交換して使う。(レンズボード左上)

リンクのバックラッシ(ガタ)をキャンセルするためのトーションスプリングや、結構特殊
な形状のボルト類も収集できた。
CNCマシニングするための3Dデータも加工業者にブン投げた。

全ての加工が上がってくるのを待ち遠しく過ごす早春である。 ^^
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by stonemute | 2012-02-03 18:46 | ビオゴン 67


そして さらに遥か遠く、まだ見ぬシャングリラへ。


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